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かーにい!

 「姉ちゃんはどう思った? 」

 「何が? 」

 「かーにいは否定してたけど、お茶に呼ばれた少年って、かーにい自身じゃなかったのかな? 」

 「そうかなあ。かーにいが違うっていってるんだから、ちがうんじゃない」

 「だって、えらく詳しかったし、見てきたみたいな話じゃなかった? 」

 「――かーにいが嘘つくわけないでしょう」

 「そんなに怒らなくても、姉ちゃんって、昔っからかーにいの信奉者だったからなあ。――好きなんじゃないの? 」
 
 が冷やかすので、私の胸がきゅんとなった。

 「なに莫迦なこと言ってんのよ! 」

 翔は額をこづかれて、後ろにつんのめった。

 「いてっ。でも、当たり! でしょ」

 「あっ、そうだ。ここ」

 翔は拍子抜けして、指さされた地面を見た。

 「ここ、かーにいのお母さんが亡くなった所だよ。自動車事故だった」

 「へー、かーにいって母さんいないの知ってたけど、事故でなくなってたんだ」

 「あなた小さかったから……。当時、この辺じゃ大変な騒ぎになった、悲惨な事件だったわね」

 カラスが1羽、すぐ傍の電信柱にとまるのが見えた。

 「この家の前でひかれて、二百メートルほどひきずられて、そこの角で左へ曲がって、その勢いで跳ねとばされていたって」

 「ひき逃げかよ? 」

 「そう。まだ犯人捕まっていない」

 「悲惨だなあ。それいつごろの話なの? 」

 「かーにいたちがこの町に引っ越して間もないころよ。お祖父ちゃんやお祖母ちゃんがいる町ではあったけど、まだ右も左もわからない時期の事件だったから、かーにい、とっても不安だったと思う」

 「かーにいって、そんな不幸な過去があったなんて、微塵もかんじさせないよね」

 「まあ、そこが人徳っていうか、あなたも少しは見習ったら」

 「ほら、やっぱり姉ちゃんは信奉者だ」(つづく)

 
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テーマ : ホラー
ジャンル : 小説・文学

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