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呪いの藁人形

 幼いころ、私と小学校の同級生のA子B子の三人で、
神社の裏でケンケンパをしていたときのことです。
 
 遊び疲れた私たちは、何やら漢字のいっぱい書かれた石碑の上で、休憩することにしたのでした。石碑の四隅にはおそらく細長く伸びた石碑が折れたりしないように強化のための支えがあって、
それがちょうど王座のように見えたわたしたちは、
 「わーい王女様だ」などと言って椅子代わりに腰掛けたのでした。
 裏表で椅子は二つでしたので、私とA子が一緒に表側に、
B子が裏側に腰掛けたのでした。

 私たちはしばらくの間、学校の話や家族の話などをして過ごしていました。
 突然B子が立ち上がり、裏の林へ駆けていきました。
 「ねえ、見て見てだよ」
 と手招きします。

 そこは神社の境内の林で、杉や竹が混在して茂っていました。
 石の塀がめぐらされていましたが、一部が崩れていて、
子供の私たちでも入れるくらいのスペースがあったのでした。

 私とA子が行ってみると、木立の間に日が差し込む場所が数カ所あり、
そこに赤い苺がいくつも見えました。

 苺を一つつまんで食べようとするB子に向かって、
「これ、ヘビイチゴだよ。たべられないよ」
 とA子。
「ううん。ヘビイチゴって食べられるんだよ」
「食べちゃだめだよ」

 なんとなく変な空気になってきたので、私は
「どっちでもいいいじゃない。摘んで家に持って帰ろうよ。それで、お母さんに聞いてから食べればいいいじゃない」
 と言うと、
 そうだねとA子もB子も頷いて、ヘビイチゴを摘みはじめたのでした。

 私たちはたくさん実っている赤い実に夢中になりました。
 上着の裾の上に一杯になった苺に私は満足でした。

 そして気がついたのでした。
 苺摘みに夢中になっているうちに、私たちは林の随分奥まで入っていたのでした。

 「ちょと、ちょっと、ここにお人形さんがあるよ」
 とB子が興味津々に呼びます。

 大きな杉の木の裏側にB子はいました。
 「かわいい」
 B子は小さな藁人形を撫でています。
 五寸釘で右腕をとめられたその藁人形は目も鼻も口もありませんが、
 自然現象で偶然できたものでないことは間違いありません。
 でも、どうして、こんなところに人形があるのだろうと不思議に思いました。

 それに答えてくれたのはA子でした。
 「あっ、それ、聞いたことがある。呪いの藁人形だよ」
 「何、それ?」と私が聞くと、
 「それはね、誰か嫌いな人がいたときにね、呪いをかけるための人形なんだって」

 途端、仰け反るB子と私。
 「やだ、私触っちゃった」
 B子は右の掌を見た。
 
 「人に見られると呪いがきかなくなるらしいよ」
 とさらに詳しい情報を授けてくれるA子。

 「どうしよう。呪いが私に移ったりしないのかな?」
 「そんなのわかんないよ」
 私たちは半泣き状態になりました。

 その時境内の隅で、何かが倒れるような音がして、
恐くなった私たちは摘んだ苺をその場にうち捨て、
わーと声をあげてちりぢりに逃げたのでした。

 それぞれ、家へ向かった私たちは
家人から呪いの人形のもっと詳しい話を聞くこととなります。

 次の日、B子は学校を休みました。
風邪で熱を出したとのことでした。(おしまい)
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