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ムサシの桜

 ムサシは桜の枝を膝で二つに折って小枝を落とし、二刀流にかまえた。

 サングラスの男は空手の経験でもあるのか、のされたほかの男たちとはちがい、かまえがさまになっている。

 「手加減しねえほうがいいぜ、爺さん。あとで後悔するからな」

 そう言ってサングラスはムサシを哀れむような眼でみた。

 「それはどうかな」

 ムサシは冷静だ。

 その言葉がおわらないうちに、サングラスがムサシに殴りかかった。

 ぶんぶんという風を切る音がして、ムサシの振った桜の枝が、サングラスの右肩と左のわき腹にはいった。

 サングラスは拳がムサシにかすりもしなかっただけでなく、一瞬のうちに、剣道なら一本にあたいするほどの勝負があったことを悟らざるおえなかった。
 
 が、サングラスはふらふらしながらも振り返って再びムサシに殴りかかった。

 こんどはムサシの剣(桜の枝)がサングラスの背中を叩く。枝は折れて宙を舞った。

 サングラスは地面にうずくまり、苦しそうに咳をした。

 他の仲間も腕を押さえたり、足をひきずったりしながら、この状況で、なおも殴りかかっていいものか逡巡しているようすだ。

 うずくまった男のまえで、これ以上のいさかいは無用とばかりに、右手に握った枝を男たちひとりひとりに向けた。

 サングラスのおとこが脇を押さえてよろよろと立ち上がり、無言で仲間に合図を送る。

 脳しんとうをおこしていた男も気がついたようだ。

 おとこたちが撤退しようとしたとき、誰かが通報したのだろう、警察官二人と管理人と思われる人数人がかけつけた。(つづく)
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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