スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ムサシの桜

 雨音で眼が覚めた。時計をみたら七時で、雨のせいで暗かった。

 ずきずきする頭を、できるだけゆらさないようにして、周りを見渡した。

 私は自分の部屋に寝ている。トレーナーにGパンという状態で。

 どうやって寝たんだっけ?もやっとして思い出せない。

 体中がふわっとして暖かい。それは夕べの記憶によるもののようだ。

 記憶はぼんやりとしているが、散りゆく桜の木の下、そこに私はいた。

 夫と父と母もそこにいたような気がする。いや、それはあり得ない。三人ともこの世にはいないのだから。

 息子とムサシ、二人以外には誰もいなかったと思う。

 私はどうしてここにいるのだろう?

 自分でここまで歩いてきたのだろうか?記憶にない。

 父にだっこされて廊下をゆく自分が、フラッシュバックとなって甦った。

 いや、父ではない。――ムサシだ。

 「うっそー!」

 私は跳び起きて訳もなく部屋の中を歩き回った。

 私はお姫様だっこされてこの部屋へやってきた。

 あの匂いがした。ムサシの服の染料の匂い。

 やっぱり私はムサシに……。

 「――恥ずかしい!どうしよう」

 眼や耳から火が噴き出すかと思った。(つづく)
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

きなこ

Author:きなこ
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。