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ムサシの桜

 振っていた雨は昼ごろになると小ぶりになった。

 お腹がすいたと言いながら息子が起きてきた。

 ムサシに用意したおにぎりを持っていって、ムサシの部屋の前においておいた。

 声をかけようかと迷っていると、中からかたじけないという声がした。

 「本当にこんな簡単なものでよろしかったのでしょうか?」

 「結構!」

 邪魔をしてはいけないと思い、さがる。

 息子と二人で大根の味噌汁とおにぎりで昼食をすませる。

 四時になったら宮本武蔵をタイムマシーンでおくるのだそうだ。

 そのまま向こうでしばらくムサシのごやっかいになる、すでにそういう約束になっているのだと息子は言った。
 
 向こうで何か難しいことになって、息子の身に何か起こりでもしたらと、考えたら恐ろしかったが、お祖父ちゃんも何度もおじゃましいて、何も心配するようなことはなかったのだからと息子がいうので、しぶしぶ承諾する。

 それまでの時間、息子は新学期の準備をするのだといって一旦市内の私たちの家へ向かった。

 私は父の遺品のかたづけが途中になっていたので、それに手をつけた。

 三時半をすぎたころ、息子が戻ってきた。

 雨はやみ、うっすらと日が差していた。

 息子は大学へいつも持っていく鞄とナップサックをひとつ提げていた。

 それを寝ていた部屋に置いてくると、これは持っていくのだとナップサックを玄関の上がり口に置いた。

 いよいよお別れの時がきたのだなあと思った。(つづく)

  
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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