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風の丘のオカリナ

 一章
成人の儀式

 茂みを抜けると、草原に出る。
 クンタは草原の先に見える緑の森を目指していた。
 草原には多くの動物がみられ、獲物には事欠かないのだが、
クンタの狙っているのは、森の奥にすむといわれる灰色熊だった。

 「やめとけ、やめとけ。おまえにゃまだ早すぎる」
 「狩り名人のユンマにもしとめられなかった熊をおまえがか……?」
村の者はそう言い合い、笑ってクンタを見送ったのだった。

 十五年目の春、クンタは大人として村の者たちに受け入れてもらえる機会を得た。
独りで狩りを行い、お頭つきの獲物を持ち帰ること、それがカリオの村の成人の儀式とされていた。
 
 狩人としてはまだ初心者である若者たちのことをおもんばかって、虫以外であればどんなに小さな動物でも認められるという、極めてゆるいものだったのだが、クンタはそれに甘んじるつもりはなかった。

 弓の腕には自信があった。身軽さ、力の強さ、どれも抜きんでたものがある。
 クンタは灰色熊をしとめるまで村に帰るつもりはなかった。(つづく)

 

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