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ムサシの桜

 玄関で足音がして、息子が「順調順調! 」とさけびながらやってくるのが聞こえました。

 顔が赤いのを息子に見られたくなくて、私は用もないのに台所へ走っていきました。

 ムサシと息子が会話する声がして、二人そろって玄関にむかう足音がしました。

 ああ行ってしまうのだと思うと寂しい、また会えるではないかと自分にいい聞かせて玄関へむかう。

 二人はすっかり身支度も整い、あとはタイムマシンに乗り込むばかりだった。

 「世話になりもうした。――お見送りはご無用に願いたい。今生の別れというものでもござらぬゆえ、……また来させていただくゆえに」

 「――そうですね。ではここで、失礼します。息子をよろしくお願いします」

 「あいわかった」

 息子は眼を輝かせ、心配いらないよとばかりに笑った。

 「ご迷惑のないようにね」

 「うん」

 二人は玄関を出て行った。

 私は戸を閉めずに、二人の姿を見ていた。

 夕日が玄関の中まで差し込んでいて、二人は現れたときと同じように光のなかにいた。

 そして消えた。(つづく)

 
 
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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