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風の丘のオカリナ

 鹿

 カリオの村を出て五日目、灰色熊についての手がかりは何も得られないままだった。

 持ってきた水も食料も尽き、餓えを凌ぐために、鳥や兎を狩り、山羊皮の袋につめた水も節約して、ただ灰色熊だけを目当てに森を歩き回る。

 クンタのふっくらとしていた頬はこけ、目だけが目立つようになっていた。

 クンタの目の前には数頭の鹿が草をはんでいた。

 「いるのは身重の牝鹿ばかり、灰色熊はいったいどこにいるのだ?」

 クンタは疲労と空腹とでいささか苛立っていた。

 クンタは恨めしげに牝鹿を見た。と、その後方の茂みに立派な角をもった牡鹿の頭が――牝鹿を見守っているようだった。

 大きく立派な毛並みをした鹿だ。

 「この鹿をしとめれば、今年一番の狩人の名声は得られるだろう」

 幸いクンタは牡鹿の風下にいた。

 ここからでも矢は届く。

 クンタは息をとめ、牡鹿のようすをうかがった。(つづく)

 
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