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風の丘のオカリナ

 スナイパー

 片耳は逃げおおせたようだ。もうクンタの視界にその姿はない。

 それよりもクンタの心を支配しているのは、顔をかすっていった奇妙なもの、それがどこから飛んできたものなのか、全く分からないという恐怖だった。

 背中をかいたことのない汗がつたっておちる。

 クンタは足下の一握りほどの石を拾い、さきほどまでいた崖のしたへ放り投げてみた。

 バシーンという音とともに地面の土を跳ね上げる。

 それは崖の上から飛んでくるのだった。

 見上げると、崖の小さな窪みで茶色の長い髪が風に揺れている。

 か?

 その茶色い髪の下から黒い棒が一本伸びている。

 あれはなんだ?

 確かめるべく、クンタはもう一度石を拾ってなげてみた。

 再び同じ音がして土が舞い上がった。

 それよりもクンタは崖の上を見ていた。

 茶色の髪の女らしき人物が黒い棒から何かを飛ばせたのを見た。

 クンタは躊躇わなかった。

 「俺はカリオの村のクンタというものだ。その者の名を知りたい」

 返事は返ってこない。

 「何故私を狙う?」

 「――今すぐカリオの村へ帰れ。さもなくばおまえを撃つ」

 女の甲高い声が空気を響かせた。

 「俺は狩人だ。灰色熊を追ってここまできた。おまえに危害を与えるつもりはない」

 「その灰色熊は私の友人だ。これ以上彼を傷つけるなら、私も容赦はしない。おまえを殺す」

 女は本気のようだった。

 片耳を倒すまであと一歩というところで、邪魔がはいり、クンタは唇を噛んだ。(つづく)

 

 
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