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風の丘のオカリナ

 風の丘

 灰色熊の片耳が冬眠に使った穴を調べてみたが、そこを訪れた形跡はなく、近くを二日かけて捜索してみるものの、何も得られるものはなかった。

 「あのにまだいるのだろうか?」

 クンタは、ライフル銃を自分につきつけた、あのミライと名乗った女の所にまだいるのかもしれないと思った。

 クンタは森を出て、例の崖の下まで行ってみた。

 見上げると崖の上の方はほとんど見えない。別の崖の上からならば見えるかもしれない。

 クンタは適当な崖をさがして上へ登ってみた。

 ほのかにかいた汗が風に触れて心地が良い。

 クンタは崖から斜めにとびだすように伸びている松の木に掴まってミライと出合った崖の上を眺めた。

 いまクンタが登っている崖よりは一回り大きく、高さも少し高いその崖の上には、真ん中あたりに木製の塔のような建物があり、そこから細長い筒が伸びていて、煙が出ていた。

 「あそこに住んでいるのだろうか?」

 クンタはしばらく様子をうかがっていたが、女が姿を現すことはなかったので、崖をおりることにした。

 例の崖を登ってみることにする。

 よく観れば、崖には小さなへこみがいくつもあり、階段のようにも見える。なだらかなその階段は崖を幾重にも回り込んで上へ繋がっていた。

 みちの途中に、罠が仕掛けられているが、狩人のクンタにはすぐにわかる簡単な仕掛けだった。

 崖を登り切ると、目の前にさっき見えた塔が見えた。

 小高い丘の上に立ったその塔の窓から白い布が、風に煽られてぱたぱたと音を発てていた。

 クンタの住む草原とは異なり、そこは陽ざしが燦々と差し込み風がさわやかな場所だった。

 「ここに片耳と、ミライがいるのだな」

 クンタは背中の汗が風に当たって少し寒く感じた。(つづく)
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