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風の丘のオカリナ

 追放

 クンタは背中にペレッタをつきつけられ、ミライの言われるままに森を歩いた。

 「俺をどうする気だ?」

 ミライは答えない。

 「あの灰色熊は元気か?」「あの崖の上に住んでいるのか?」「他の誰かと一緒にいるのか?」

 何を尋ねてもミライは答えない。微かな息遣いと足音だけが聞こえる。

 陽が沈み、あたりが暗くなったころ、クンタは木にくくられ、ミライが火を焚いた。

 「ほら、腹ごしらえよ」

 ミライは背中の袋から紙に包まれた焦げ茶色の塊を取り出して、クンタの口元に差し出した。はじめて見る奇妙な食べ物にクンタは躊躇した。

 「これはチョコレートっていうのよ。カロリーがあるから、これでしばらくはもつでしょう」

 クンタは空腹だった。それでも少々の空腹は堪えられる。クンタにとって、ミライの持ち物は何から何まで奇妙に見えたし、怪しく思えたので、クンタは口を閉じていた。

 「疑っているのね、いいわ、ほらこれで安心でしょう」

 ミライはチョコレートを囓って食べてみせた。

 差し出されたチョコレートをクンタもかじってみる。

 甘い。はじめて感じる強烈な甘さだ。こんなものが食べ物なのか?

 クンタは、ミライが魔女でなかったとしても普通ではない、と思った。

 チョコレートを食べ終わると、水を飲ませてもらい、その夜はそこで縛られたままクンタは休むことになった。

 ミライは焚き火の様子を気にしながら起きていたが、しばらくすると横になって眠ってしまった。

 クンタは逃げ出せないかと色々考えてみたが、クンタを縛ったロープはミライの腕に繋がっていて逃げようとすればすぐにわかってしまうし、だいいちロープは女にしてはしっかりと結ばれていて、ナイフかなにかを使わないかぎりはずせそうになかったので、それは難しかった。

 俺はどうなるのか?

 クンタは途方にくれた。そして、眠ってしまった。(つづく)

 
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テーマ : 雑記
ジャンル : 日記

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