スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

風の丘のオカリナ

 監視するもの

 昼間カナーンに言われたことが気になって、なかなか寝つけないでいたクンタは、喉が渇いて台所へ水を飲みにいった。

 ミライたちを起こさないよう静かに部屋の前を通って、館の入り口の方へ出ようととしたクンタの前に、半開きになった仕切り用のカーテンから光が漏れているのが見えた。

 「……シカタガ……」

 聞こえてきたのはカナーンの声だった。

 カーテンの隙間からクンタはのぞいた。

 カナーンジュリミライの三人と、向かい合うように入り口側屋台の収納されている手前に二人の男女の姿が見えた。

 男は青い髪、女はかなり短くカットされた黒髪をしていて、二人とも薄手の光沢のある服をきていた。

 女のほうが主に話をしているようだった。

 「……ジカンリョコウ……ジュウキュウジョウ…ニジュウ……イハン……」

 何を話しているのかはっきり聞こえないのが残念だったが、尋常でない緊迫した雰囲気が漂っているのをクンタは感じた。

 「……サイバン……キョウセイシュ……」

 一方的に話をする女に対して、カナーンたちはどちらかというと神妙な態度で接しているように見えた。

 「カレニツミハナイ……ッテモライタイ」とカナーンが言うと、青い髪の男が首を振った。

 「カリオ……カナラズ……」とカナーンがいっているのを聞いて、もしかして自分のことを話しているのではないかとクンタは思った。

 「……バアイワ……トナル……セヨ」

 男はカナーンにそう告げると、屋台の方へ踵を返し、女もあとをおうようについて館を出た。入り口の方で、何かが一瞬光って、すぐに消えた。

 クンタには何がどうなっているのか分からなかったが、自分にかかわることでカナーンたちに何かが起こっているのだということは予想できた。

 クンタはカーテンの隙間から歩み出た。

 手前にいたミライが気がついて振り返った。

 「――聞いていたのね」

 クンタは頷いた。

 「あの人たちはいったい何者なんです? 」

 カナーンがミライの前に出て「私たち家族を監視するものたちだ」と告げた。

 「私の話も出ていたようですが、どういうことなのか、話してもらえますか? 」

 カナーンは少し迷ったような表情をみせたが、「分かった。全て話そう。だが、君にも約束してもらいたいことがある」とクンタに告げたのだった。

 
スポンサーサイト

テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

きなこ

Author:きなこ
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。