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風の丘のオカリナ

 終焉

 「勿論、我々とて、手をこまねいていたわけではない。大量破壊機の放棄を各国に促し、被害を最小限に抑える努力を試みる一方、主要各国へネットランドから発せられた『今日、世界は破滅する。若き獅子はときの旅へ出て笑う』というメッセージを残していった人物がいたことをつきとめ、特定を急いでいる。だが、大量破壊機を放棄したのは僅か三カ国、青年の特定もできていないのが現状さ」

 十九号にははじめて聞いた話なのか、青ざめた表情で、七号をみていた。幹部である七号だけが知っていたことだったようだ。

 「大量破壊機については、放棄するしないもないだろう。何故しない? 」

 何を考えているのか分からないとクンタは思った。

 「それぞれの事情があるのさ。防衛、誇示、脅威、事情は違え、持っているものを捨てるという選択はなかなか難しいのだろう」

 「しかし、そんなことを気にしてる場合ではなかろう」

 「――だな。事実をしっているのは、どの国もごく一部の主要な人物のみ、全世界に知らせて混乱が起こることを恐れているのさ。たとえば、タイムマシーンで他所の時代へ移り住もうとするものが大勢出るだろう。そうなれば、歴史はどうなってしまうのか? 時空のゆがみが生じて破壊が起こるという学者もいる」

 「おまえたちのも分からないのか? 」

 「そうさ。こうなってくると、タイムマシンそのものが、悪に見えてくる」

 高度な文明によって可能になった時間旅行なのに、それゆえにおこる混乱もでてくることを知ったクンタは、いまの自分たちの暮らしは幸せなのかもしれないと思った。

 「心配するな。十九号。その時がきたら、二人でこの世界へ逃げよう。そのためにも、私は秘密を漏らした罪で、本国から拘束されるわけにはいかないのだ」

 七号は不適な笑いを浮かべた。

 クンタは嫌な予感がして、周りを見渡した。

 窓の外に多数のタイムマシンと人の姿が見えた。

 七号は縛られていたロープを一機に解き放ち、中指の指輪をクンタに向け、 「包囲されたようだな」と笑った。指輪には仕掛けがあって、武器になるらしかった。

 サハトが窓の端から下を覗いて、二・三十人はいるでしょうと報告した。

 七号に狙われた状態のクンタ、外へ気を張る仲間たちに、緊張が走った。(つづく)
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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