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風の丘のオカリナ

 地下室

 地下室へ向かう途中、クンタミライに小声で何か伝えると、ミライは居間へ戻っていった。

 「何をこそこそしている? 」

 七号が不信を抱いたようだった。

 「いや、その服と交換するには、それなりの下に着るものが必要だろうと思ってな」

 「妙な真似をすれば、私は協力しない」

 「分かっている。おまえがいなければ、やつらとは戦えない」

 暫くして、ミライが男物と女物の服を抱えて戻ってきた。

 「なあ、問題ないだろう? 」

 不信感が完全に払拭されたようではなかったが、取り敢えず七号は納得した。

 四人は地下室へと降りていった。地下室といっても狭い、階段を下りた一番下にがあり、その横に小型のロックの操作装置があるだけだ。一番先にクンタ、次に七号、十九号、ミライと続いて入る。

 「先に俺たちが着替え、次いで女たちだ」

 女性へ配慮してのことだった。

 クンタと七号が着ている服を脱ぎはじめた。

 その時だった。七号が腕を伸ばして袖を脱ぐ仕草をしたかと思うと、その手でクンタの腕を握り押さえ込もうとした。

 クンタは押し潰されたように下へからだを曲げた、と思いきや、体をひねって七号の腕を振り払い、反対に七号の腕を掴んで、後ろ側に回り込んで締め上げた。

 七号は痛みでうぐっと声を上げた。

 「やはりそうだったな。おまえたちにすれば、この穴のロックを解いて、向こう側へ逃げさえすれば、なにも問題ないわけだ。さらに俺たちを捕らえてさしだせれば、これまでの失態も帳消しになるだろうからな。ミライを見るがいい」

 ミライは手にパルサを握り、十九号の背中に銃口を向けていた。服をとりに戻った際に、隠しもってきていたのだった。

 「――馬鹿ではなかった……か」

 七号は観念したようすで、再び服を着替えはじめた。

 七号たちが着ていた服は銀色の上下、長袖長ズボンで、体に吸い付くようにまとわりつく。だが、伸縮性があり、しかも丈夫そうだ。また、この季節には熱すぎるように見えたが、特殊な加工がされているらしく、実際にはひんやりとして快適だった。

 「襟口の紐を引けばフードが出てくる。うっとおしいので、私たちは日ごろフードは被らないが、被れば、センサーから完全に探知できなくなる」

 「それはありがたい」これは使えるとクンタは思った。(つづく)
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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