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風の丘のオカリナ

 二者択一

 外の奴らは、七号十九号は地下室に押し込められたと判断しただろう。これで、クンタミライは自由に動き回れる。

 パルサをしまっておいた箱から、残り三丁のライフルを取り出し、ミライが弾をこめる。

 一応扱い方はミライから教えてもらっており、実際に撃つ練習もしていたクンタだったが、命中率については自信がなかった。ミライやカナーンにしても、扱い方には慣れていたものの、実際に生きた物を撃った経験がなく、実戦には不安があった。それでもミライがパルサ、他の二人はライフルを手にすることにする。

 念のため、フイタにもライフルの扱い方を教えたが、試し撃ちは外の奴らを刺激する可能性もあり、控えたため、操作法を聞いただけというのでは、フイタも不安なようすだったが、仕方がない。

 「さて、奴らはどう出ると思う? 」

 クンタが七号に聞いた。

 「さあな? 」

 クンタはライフルの銃口を七号の顔に向けた。

 「――奴らとしては、塔ごと爆破したいところだろうが、それでは穴やロック装置への影響が懸念される。――おそらく、発火手榴弾を投げ込んで、塔を燃す……かな? 」 

 「そうだろうな。とすれば、逃げ道の確保が第一だな。塔を脱出するか、穴へ逃げ込むか? 父さんどう思う? 」

 「どちらもやっかいだが、さきほど見張り台から見たかぎりでは、塔を脱出するには、一番上の階から木に飛び移る、それが一番良さそうだ。穴へ逃げるとしたら、ロックを一時解除して、数人ずつかたづけるというやり方になるだろう」

 「俺もそう思う。どちらにするか、多数決で決めよう」

 クンタは見回して、皆の同意を得ると、「では、まずあなたから」と カナーンを見た。

 「――脱出する方だな」というカナーンの意見にオルマとサハトが同意し、ミライとハルヒナ、フイタが「穴の方」を指示した。
 
 「三対三、決まらぬな……」

 ハルヒナが困ったようすで両手を広げた。

 「クンタは? 」皆が聞いた。

 「俺は――穴だ」

 そこへカナーンが割ってはいった。 「――いや、脱出で決まりだ。皆は手負いの私を気遣っているようだが、心配には及ばない。私はこの通り平気だよ」

 カナーンは血で滲んだ肩の包帯を叩いた。何ともないふりをしてるのが誰の目にもはっきりと分かったが、「足手まといになるのは私の一番望まぬことだ」と鬼気迫る声でカナーンにせまられると、皆首を振ることはできなかった。

 「しかし……」とハルヒナが止めようとしたが、カナーンは「さあ、はじめよう。時間がない」と皆をけしかけた。

 「うまくいく方法が、きっとあるはずだ」とクンタが言い、皆もそうだとなと頷いた。(つづく)

 

 
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