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風の丘のオカリナ

 脱出

 「木の左右に一人ずつ、左のやつからだな」

 塔の一番上にある小窓から樟に飛び移ったクンタミライは、枝を這うようにして目的の場所までいき、腰にロープを巻いたミライが、二人と同じ銀色の制服を着て透明の眼鏡をかけた大柄の男の背後に、まるで蜘蛛が上から下がってくるような静かな動きで地面に降りた。

 ミライはそっとロープをはずし、男の背中を叩いた。

 男は振り向きざま、パルサをかまえたミライの姿をとらえ、咄嗟に指輪銃をミライの方へ向けようとしたが、飛び降りたクンタに背後をとられ、腕をつかまれ、手で口を塞がれた。

 目が血走るほど男は抵抗したが、クンタの腕力にはかなわず、気絶させられ、倒れかけたところをクンタに抱きとめられて、地面に横たえられた。

 樟の右にいた男も、同様にして背後からミライが声をかけ、その背後からクンタがとびつくというかたちで、かたずける。

 奴らの包囲網は、塔の表側に較べて裏側の警戒が甘い。そこをついたのだった。

 ミライが樟の根元にロープをしっかりと縛り付け、崖の下へ垂らしている間に、クンタが気絶させた男の服を剥ぐ。

 ミライをそこに残して、クンタは木を登って塔へ戻り、フイタカナーンを地下室へ行かせて奴らの制服を着せて連れてくる。フイタとクンタの二人で、痛みに声を殺しながらも必死に我慢しているカナーンの腰にロープを巻き、塔の下へとおろす。それをミライが受けて、ロープを解く。フイタも木へ飛び移り、地面へおり、さらにカナーンを崖の下へ下ろして自らもそこへ降りる。崖の下へ降りた二人は、服を着替えて、制服二着をロープにくくりつけて上へ引き上げて貰う。

 同様にして、オルマとフイタ、そしてミライを崖の下へおろす。

 七号十九号も同様にして下ろし、最後にサハトとクンタが残った。

 ところが、皆が地下室に移動するという行動が奴らの不審をかったらしく、塔へ突入されてしまったのだった。

 慌てて塔を脱出しようとする二人の行く手に、気絶させられていた男が気を取りもどして立ちはだかった。

 だが、塔の表に待機している者たちにも、塔へ侵入した者たちにも二人がすでに塔を出ていることに気づいておらず、一旦塔から引いてあぶり出す作戦に出たのだった。七号が言っていたように、発火手榴弾が塔に投げ込まれた。

 塔はみるみるうちに炎に包まれ、燃え上がった。(つづく)

 
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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