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風の丘のオカリナ

 逃避行2

 奴らはエアバイク五台で追いかけてきた。

 クンタサハトは二手に分かれて崖の間を逃げた。

 クンタの方には三台のエアバイクがついてきた。数台のタイムマシンも追跡して姿を現した。タイムマシンは瞬間移動しかできないらしく、突然クンタの目の前に姿を現したかと思うと次には消えるのだった。

 崖地を駆け回って奴らを翻弄させたあげく、クンタはエアバイクを一台にまで減らしたが、さすがに息が上がって死にそうだった。

 ところが、追ってきていたエアバイクが急に方向転換して戻っていったのだった。

 クンタは罠かと思ったが、エアバイクが再び姿を現すことはなく、拍子抜けして、その場に座り込んでしまった。

 息を整えている間に、いいようのない不安が沸いてくる。

 ミライたちに何かあったのではないか? 

 クンタは立ち上がって、塔の方を見た。

 夕闇せまる空に、煙と思われる一筋の線が見えるだけで、あとは静かだった。

 クンタは急いで塔の方角へ引き返した。

 ミライたちが、七号十九号を縛り付けておいたはずの崖のあたりについたときには日はどっぷりと暮れていた。

 どこにも七号たちの姿はない。

 慎重に塔のある崖に近づいてみる。

 タイムマシンは見あたらない。エアバイクも銀色の制服姿の者たちの姿もない。

 塔の正面、緑の草の上に、人の姿が――ハルヒナフイタオルマが立っているまん中に、ミライが四つんばいになって泣いていた。

 「……どうしたんだ? 」

 クンタは泣いているミライに駆け寄って肩を抱いた。

 ミライはクンタの首に腕をまわし、いっそう激しく泣いた。

 何がどうしたのかクンタには分からなかったが、クンタが崖地を逃げ回っている間に、ミライを泣かせるような何かがおきたのだと思った。

 「母さんと父さんが……」

 ミライはしゃくり上げながらやっとそう言った。

 「ジュリカナーンがどうした? 」

 泣きじゃくるミライをクンタは揺さぶった。(つづく)
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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