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かーにい!

 「それからその家がどうなったかという点については、定かではないんだが、噂では、お手伝いさんたちは解雇されたらしい」

 「お祖母さんはどうなったのかしら? 」

 「さあ? でも、年齢からすると、その外国にいる息子さん夫婦に引き取られたんじゃないかなあ」

 「そうよね。独りになっちゃったんですものね」

 「――それでなんだけど、は他にもあってね。少女が亡くなったころ、庭で泣いているお祖母さんの姿を見かけることもあったらしいんだが、傍には小鉄がいつもいてね、それが、いつからか見かけられなくなって、心配になった近所の人が警察に相談したらしい。やがて、お祖母さんは元気で、特に問題はなかったということがわかり、近所の人も安心したんだ。それでもお祖母さんの姿を見かけることはなかったらしいね。夜になっても屋敷は真っ暗で、きっとお祖母さんは別の場所へ引っ越したんだろうということになった。――だがこの屋敷には、月に一度、大きな段ボール箱が宅配され、変わりに少し小さめの段ボール箱が持っていかれた。受け渡しは女性の声で、インターホン越しにされたということだった。その女性を見たものはなく、また、屋敷の中で誰かが生活している気配もないので、ここはきっと空き家で、荷物の受け取りをしていたのは管理人かなんかだったんだろうな」

 「でも、ここって売り家ってわけではなさそうね」

 「そうなんだ。庭の手入れは定期的に行われているらしいし、屋敷が売りに出されてはいないらしい」

 「こんなすてきなお屋敷なのに、住む人がいないなんて勿体ない」

 「そうだね。――それで、いつしかこの屋敷は、子供たちの間では、お化け屋敷のように扱われ、肝試しの対象となったりしたらしいんだが、どこからともなく激しく吠える犬の声がせまってきて、追い立てられ、屋敷の中を覗くこともできなかったらしい」

 「小鉄がいるのかしら? 」

 「それはあり得ないね。少女が亡くなるころ、小鉄も随分年寄りだったらしいからね。それに庭のどこをさがしても犬舎なんかない」

 「犬の寿命って、十年やそこらだったかしら? 」

 「僕の友だちの犬は十八年生きていたらしいけど、もうヨボヨボだったって」

 「そんだけ長生きしたとしても、ありえない」

 「じゃあ、どっかの野良犬が入ってきてたのね」

 「塒にしているのかもしれないね」

 「でも、この屋敷について、どうしてそんなに詳しいんだ? もしかして、お茶に呼ばれていた少年というのは、かーにいのことだったりして? 」

 「ははは……それはない」

 「そうかなあ……」

 「その少年から聞いたんだ」

 「えっ、少年を知っているの? 」

 「まあね」

 「どんな人? 」

 「それは秘密だな。あっ、いけね。遅刻しちゃう。いまから同窓会なんだ」

 かーにいは携帯を見て慌てて、それを胸ポケットにしまった。

 「……他には? 」

 どうにかしてかーにいを引き留めたいと思った。

 「いや、知っているのはそれだけ。じゃあな」

 と言ってかーにいは駆けていってしまった。(つづく)
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テーマ : ホラー
ジャンル : 小説・文学

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